磯田道史著「『司馬遼太郎』で学ぶ日本史」NHK出版
三谷太一郎著「日本の近代とは何であったか」岩波新書
磯田氏は、「司馬遼太郎は明治を「理想」と考え、明治と昭和が完全に断絶されている。と思っていたのは違う。社会の病というのは、現実の病気と似て潜伏期間があり、昭和に入ってとんでもない戦争に突入してしまう菌や病根は、やはり明治に生じていたのではないか。明治と言う時代は、まだそれが発症していない「幸せな潜伏期間」だったのではないか。」と言っています。ナショナリズムとパトリトティズムという比較も。
三谷氏は、大学での長年の研究ののち、「・・日本の近代について総論的なことを書くこと、そしてそのために日本近代化の概念的把握を試みることの重要性を知りました。(中略)カントによれば、人間の意識はすべて直観をもって始まり、直観から概念にいたり、理念をもって終わります。(中略)その理念の先に、理念によってのみ規定される理想があります。云々」とあとがきで述べておられます。
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