2021年1月25日月曜日

半藤利一氏に捧ぐ


  両書籍は、先ごろ亡くなられた半藤利一氏に関する書です。上は「世界史の中の昭和史」(集英社刊)下は、学術会議メンバーの任命を菅総理に拒否されたままになっている、加藤陽子氏との対談が収録された「昭和史裁判」(2011年7月初版)です。

  上は、巻末に青木理氏との対談が掲載されています。ヒットラー・スターリンなどの独裁者に焦点を当てながら、日本の外交を軍部や政府がどのように対応・外交政策を進めていったかが年代を追って書かれています。
  一方、下は、文字通り、両氏、半藤氏が検察役で、加藤氏が弁護士役という設定で、軍人ではなく広田弘毅・近衛文麿・松岡洋祐・木戸幸一、そして昭和天皇に焦点を当てながら、「ただ、被告は人間というより昭和史そのものです。裁判というより歴史法廷です」(加藤氏の言葉)

  半藤氏はご自身を「歴史探偵」と称し、お二方とも、歴史の一次資料に没頭されての執筆がベースとのこと。この「世界史の中の昭和史」昨年2020年7月初版して、これまでに「昭和史」「昭和史戦後編」「B面昭和史」と執筆の後の謂わば集大成のような本であるような気がします。実質的に半藤氏の遺稿かも知れません。