2020年7月18日土曜日

代表制民主主義を考える

           高安健将 著「議院内閣制」中公新書

戦後の憲法の元、日本が手本とした、英国の議院内閣制の歴史と現状を詳しく記した書です。そんな理想的とされた英国でも、近年スキャンダルや政策の失敗により、保守党と労働党は共に国民の信頼を失い、支持基盤の空洞化が進む。
危機に直面した英国は議員内閣制を変貌させる道を選んだ。挑戦する英国から日本は何を学ぶのか。著者は問うています。

20202年7月14日、新型コロナウイルス禍を「100年に一度の国難」と宣言した安倍晋三政府与党は、国会を延長せずにあっさりと国会を閉じた後、初めての休会中審査として、予算委員会を僅か三時間弱づづではあるが開いた。
数ある委員会の中でも、予算委員会は基本的に国政全般を議論できる場です。
にも拘らず、この日、閣僚席には西村担当大臣ただ一人と他の閣僚席には参考人が三人、また普段は参考人がいる席には副大臣(政府代表?)としているという、これまであまり見たことない光景でした。一瞬、目を疑いました。

小選挙区制度は二大政党政治を進めるための改革でした。それから20年余、それすら確立
できていない日本です。小選挙区制は大政党に圧倒的に有利です。野党がばらばらでいる限り、自民党の独壇場は続きます。せめて、与野党伯仲の状況を造らなくては、独裁国家になりかねません。

議院内閣制の日本も、現状を変えていかないと、代表制民主主義の危機⇒崩壊を招きかねません。政治家をもっと勉強し、有権者も「なんとなく」で決して選ばない土壌を作らなければならないと思います。