2016年12月30日金曜日

記憶に残したい人々 今年亡くなった人々


石井十次:「児童福祉の父」と呼ばれるこの人物は意外と知られていない。
       
宮崎生まれで、医師を志し、岡山で学んだ。その中で、生活できなくなって、ある母親が石井に子供を預ける。これがきっかけで、石井は医学の勉強から次第に孤児救済へとかじを切る。やがて、スポンサー(倉敷紡績・大原美術館の大原孫三郎など)の支援を受けながら、「岡山孤児院」で、三千人以上にも及ぶ孤児の面倒を見た。

やがて、生まれ故郷の宮崎に大規模な施設を作る。その時、協力したのが、後に、日本で救世軍に関わる、山室軍平などである。また、救世軍の創始者、ウイリアム ブース大将が岡山を訪れた時も、石井十次は、その演説に感激したと日記にあるそうです。

今年亡くなった人々;

むのたけじさん(ジャーナリスト)
加藤九祥さん(人類学者)
飯田進さん(元BC級戦犯)

他に、たくさんいますが、マスコミが取り上げてくれそうなので、省きました。 合掌

2016年12月29日木曜日

流行語大賞とは関係のない言葉 この1年 本 人 新聞

「この1年で触れた、言葉」

*公儀公論 x 有司専制
*巧言令色 鮮矣仁 x 巧言令色 亦礼也(福沢諭吉)
「下流老人」藤田孝典
「年齢を一個二個って言うんだよ」(朝日新聞川柳)
「宝蔵おのずから開ける」道元禅師

*軍産複合体・デュアルユース「武器輸出と日本企業」望月衣塑子著

「行蔵は我に存す。毀誉は他人の主張」(勝海舟)
「満洲国の産業開発は私の描いた作品だ」(岸信介)
「言葉は人の動きや思考を仕切り直すために存在すべきで、信頼よりも、打破のために使われるべきである」(武田砂鉄「紋切型社会」

「茶の湯とは、ただ湯をわかし茶をたてて飲むばかりなることと知るべし」(千利休)

「石橋湛山は一貫して言論人としての気概を持ち続けた」・「言論人の気概とは一人でも発言すること。こういう人がいたことは日本にとって救いだった」(鎌田 慧)

*世論(セロン):感情に突き動かされる 一時的な反応
*輿論(ヨロン):理性によって漉された定着性のある意見(石橋湛山)

*日本会議(青木 理著などより)

「あの俳優 知らないうちにみかけなくなったなあ」と言われるような消え方がしたい」 (岸部一徳)

*創造力・解決力・群像の感覚・数学能・情報処理能力(林 修 これから求められる能力)
などなどでした。



2016年12月26日月曜日

この一年を振り返る 沖縄辺野古 高江 安倍政治 デモ 東京


今年も、残り2日になりました。この一年を振り返ってみると;

上の写真は、昨年の11月、東京での、デモの時に使ったプラカードです。2011年に、脱原発のデモに生まれた初めてデモというものに参加し、この辺野古基地新設反対のデモに参加したのが、2度目でした。私自身は、地方から上京するのは、結構面倒な歳になっています。以前は仕事のついでにということも考えられましたが、今は特定の目的が無くては行動できません。それでも、このデモに参加することだけを目的に上京しました。遠く沖縄を離れてできることは、これくらいなことでしかないかもしれませんが、参加してよかったと今でも思っています。

このデモに参加してから、一年が経ちましたが、この一年は、永田町で繰り返される、政治の横暴に私自身は異議を唱えることが続いた一年だったと思います。

1)アベノミクス 2)沖縄問題 3)野党のふがいなさからも手伝って、国会のお粗末さ 「公議興論」は真逆に近い、安倍政権の「有司専制」がまかり通った一年だった気がします。

とりわけ、オスプレイの墜落事故・高江の強硬工事などなど、昨年デモに参加して以来、沖縄の問題は深刻でした。翁長知事はじめ、県民の皆さんのご苦労にただただ同情するばかりです。何とか、沖縄に心を寄せる政治がなされるように、現状を打破しないといけません。

来年は、アメリカでもトランプとかいう男が大統領になり、欧州でも、様々な選挙が行われ、極右の台頭が懸念されています。

まず、この国の通常国会が始まる一月から、確りと政治を観ていくことが、我々庶民の責任だと思います。

世界中、激変なの年になりそうですが、庶民にとっていい年になることを願って、また感謝の気持ちをもって、合掌!

2016年12月20日火曜日

レガシーとは? 歴史の重み 薬師寺 オリンッピク 建物 

12月21日朝日新聞の記事 薬師寺 東塔 平城京で新築

先日、薬師寺の村上管主の法話を聞いたところばかりでしたが、本日の新聞に、長年論争が続いていた、東塔移設説と新建築説に、どうやら決着がついたようである。素人としては、結論はどっちでもいいのです。1400年以上も綿々と繋がる歴史の重みに、なんら差支えない。

2020東京五輪のために、やれレガシーが必要だとかなんとか、新しい箱ものを作ることに、躍起になっている。第一、鉄筋コンクリートの建物を作って、なんでレガシーができるのか、不思議でならない。五輪開催を機に、利権構造が先を争って、暗躍しているだけにしか見えない。

1964年の国立競技場は、いとも簡単に姿を消し、また大金をかけて新たな競技場を作る。私の様に、1964を知る世代には、なんの興味も沸かない。時代が変わって、今は通信・映像の技術が格段に発達している。確かにスポーツを生で見るの楽しい。でも、よほどその競技に興味がない限り、テレビ観戦のほうがいい時代にもなってきている。まして、2020は、真夏の炎天下で開催される。熱中症の被害者が気に掛かる。

鉄筋コンクリートは、劣化します。いずれ、建て替えが必要になります。勿論、木造建築もしかりですが、高度の技術に支えられた、特殊な建物は、この東塔をはじめ、法隆寺など、長い歴史とともに、今に息づいている。これをレガシーというのではないでしょうか。

2016年12月19日月曜日

松本清張 砂の器 丹波哲郎 刑事物 変わらない社会問題 ハンセン病 

野村芳太郎監督の「砂の器」を観てきました。

言わずと知れた、松本清張原作の社会派サスペンスです。
刑事物としても面白いし、そこに流れている重いテーマ「宿命」を考えると、今に通じる問題です。

1974年公開の映画ですが、デジタルで甦ると銘打っているだけに、画面がとてもきれいです。また、内容も40年以上も前の出来事とは思えないくらい、現在でも起きている「いじめ・差別・非科学的偏見」などなど、名作と言えると思います。

丹波哲郎・加藤嘉・笠智衆・佐分利信・緒方拳・渥美清ななどなど、既に亡くなられた名優ぞろいですし、加藤剛・山口果林・島田陽子など、多彩な俳優陣です。一言加えれば、島田陽子(楊子)の裸身にはドキッとさせられました。
また、脚本には、山田洋二の名前もありました。

薬師寺 村上管主 仏教の教え いじめはなくせる

先ごろ、薬師寺の管主になられた村上太胤師の法話を聞く機会があり、その帰りの、師の管主晋山記念出版の新刊書「仏法の種まき」(講談社)をサイン入りで手にしました。大変わかりやく、謂わば仏教の入門書と言ってもいいかも知れません。

その中の一節を引用させてもらいます・
「中学へ弁当を持っていくときも、おかずはタクアンだけでした。高田好胤師は「お前らはまだマシだ。わたしのときは塩をかけていたんだ」とおっしゃっていました。(中略)
ある日、隣にいた友達が、「お前、何を食べているんだ?」といって、私の弁当箱のふたをヒョイと取ってしまたのです。「なんだ、おかずが何も入ってないじゃないか」と皆の前ていわれてしまったのです。顔から火がでるほど恥ずかしい思いをしました。いまでしたら、それはイジメになるかもしれませんが。そのときは「明日から学校へ行くのをやめよう」とはおもいませんでした。寺で師匠に怒られるより、学校に行っているほうがはるかに楽しかったから、私は学校を一日もやすんだことがありません。
  次の日も弁当を持って学校へ行くと、隣の女生徒が「村上さん、お弁当のふたを貸して」というのです。(中略)すると、その子は自分のおかずをふたの載せてわけてくれたのです。嬉しかったですよ。それから三日ほどすると、弁当の時間に私の弁当箱のふたがグルグルとクラス中をまわり、皆がそれぞれのおかずをいれてくれるのです。後略。
戦後の誰もが貧しかった時代とは今は違うかもしれません。しかし、6人に1人が貧困と言われる今です。実は、内情は当時より格差が広がってもっと深刻なのかもしれませんね。
ちょっとしたことで、いじめどころか、人と人の絆ができます。いじめとは紙一重なんでしょうね。
奈良の大寺の管主さんが、長年、遠く群馬まで出向き法話をしてくださる。これを支えている「高崎薬師寺会」の皆さんにも感謝です。
来年も、12月10日にお越しいただけるそうです。

2016年12月6日火曜日

明治維新 戦争 敗戦 近代史を学ぶ 高校生中学生

「羨ましい、中高生への大学教授の講義」

朝日出版社

1.「それでも、日本人は「戦争」を選んだ

2.「戦争まで」(歴史を決めた交渉と日本の失敗)

いずれも、加藤陽子東大教授が中学高校生に講義した内容を著した書です。

まず、羨ましいのは、我々世代にこうした機会がなかったことで、明治以降の近現代史が、全くと言っていいほど、高校生までに、目に耳に触れることがなかったということ。鶴見俊輔、橋本治、堀江敏幸、関川夏央、加藤典洋、養老猛司の各氏も絶賛しています。

1.は日清戦争から太平洋戦争まで、資料を読み込んで書かれた、事実の重み。
2.は「リットン調査団」・「日独伊三国同盟」・「日米交渉」を中心に取り上げた、日本政府の国策の誤りが、どうしてなされたか。事柄を絞った視点からの考察を、わかりやすいように、中高生に講義していること。
それでも、相当勉強していないと、この講義の内容は理解できないと思う。今の、中高生は、素晴らしい!頑張ってさらに勉強してい行ってもらいたい。決して、「国策の誤り」だったなどという政権を二度と作らないように。