須田努著「吉田松陰の時代」岩波書店
安倍政権は、来年の明治150年を大々的に行事をやるようです。「実現された近代化政策として、立憲政治、議会政治に導入、国際社会への対応、技術革新と産業化の推進、義務教育の導入や女子師範学校の設立など女性を含めた教育に充実等々・・・」が揚げられ、これらを達成した「明治の若者や女性、外国人などの活躍を改めて評価」し。明治期の文化活動にもふれ、「日本の強みを再認識し、今後の更なる発展を目指すきっかけとなる」政策を推進するとある。そうです。(ホームページ 首相官邸 会議等)
これは歴史認識に問題である。内線の中から明治と言う時代が生まれ、対外戦争は繰り返され、経済格差は拡大され、琉球・沖縄を「植民なき植民地」であったと著者は述べています。この行事には、これらの事実が語ろうとしていない。
この書は、松陰の足跡や資料を丁寧にたどり、松陰をして「おっちょこちょい」な青年、思想家・革命家と「上書きされた」人と捉え、彼を「時勢の人」と見る。
西郷隆盛が主張したとされる所謂「征韓論」も、この吉田松陰の「挑戦侵攻論」など、即ち「富国強兵」論があった。と記しています。
時の、為政者が自分の「都合のいいとこ取り」をします。安倍政権の明治150年の行事はまさにその感があります。
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