大本営と言えば。戦争当時の官僚中の官僚の集団である。副題にあるように、彼等はかの有名な「転進」「玉砕」など事実に反する造語を使って、国民に改竄・隠蔽・捏造の情報を発表しました。当時は陸軍と海軍の確執に始まり、陸軍省と海軍省の対立、また同じ省内でも作戦部と報道部の確執などなど、とても一国の組織とは思えない内部対立。一本化されたはずの大本営内部でも、それぞれ意地をはった確執が蔓延していたようです。今も昔も自分の立場が最も大事で、決して向かうべき国民の方には目が向いていないことが分かります。
加えて、監視役を担うべき報道担当(当時は新聞が主力)が大本営(政治)と一体化して、嘘の情報を垂れ流すという愚行がまかり通っていたようです。国民には真実が知らせられないまま、ずるずると敗戦に傷口を広げていった官僚と報道機関ということになります・
では、現在はどうでしょう?6年前の福島第一原発の重大事故以前のマスコミはどうだったでしょうか?また、いまだに原発を推進するマスコミはどうでしょうか?安全神話を信じ込まされた?大スポンサーの電力会社への忖度・配慮はなかったといえるでしょうか?
また、安倍政権に露骨なマスコミ干渉(特にテレビ)はどうでしょうか?著者は朝日新聞に、「ネット社会における、自分と考えの合う情報にか触れず、異なる意見に触れない風潮が高まっている。(中略) 政権はどうせ二者択一なんだから政権を支持してくれる範囲内で語ればいい云々」と。これは、ある意味言論統制化に戦前より問題が深刻だと仰せです。詳しくは本書、朝日新聞5月19日付け「耕論」欄で。
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