2017年5月24日水曜日

憲法施行70年 大本営 安倍政権 官僚と報道機関 その6

辻田真佐憲著「大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争」幻冬舎新書

   大本営と言えば。戦争当時の官僚中の官僚の集団である。副題にあるように、彼等はかの有名な「転進」「玉砕」など事実に反する造語を使って、国民に改竄・隠蔽・捏造の情報を発表しました。当時は陸軍と海軍の確執に始まり、陸軍省と海軍省の対立、また同じ省内でも作戦部と報道部の確執などなど、とても一国の組織とは思えない内部対立。一本化されたはずの大本営内部でも、それぞれ意地をはった確執が蔓延していたようです。今も昔も自分の立場が最も大事で、決して向かうべき国民の方には目が向いていないことが分かります。
   加えて、監視役を担うべき報道担当(当時は新聞が主力)が大本営(政治)と一体化して、嘘の情報を垂れ流すという愚行がまかり通っていたようです。国民には真実が知らせられないまま、ずるずると敗戦に傷口を広げていった官僚と報道機関ということになります・

   では、現在はどうでしょう?6年前の福島第一原発の重大事故以前のマスコミはどうだったでしょうか?また、いまだに原発を推進するマスコミはどうでしょうか?安全神話を信じ込まされた?大スポンサーの電力会社への忖度・配慮はなかったといえるでしょうか?
  
   また、安倍政権に露骨なマスコミ干渉(特にテレビ)はどうでしょうか?著者は朝日新聞に、「ネット社会における、自分と考えの合う情報にか触れず、異なる意見に触れない風潮が高まっている。(中略) 政権はどうせ二者択一なんだから政権を支持してくれる範囲内で語ればいい云々」と。これは、ある意味言論統制化に戦前より問題が深刻だと仰せです。詳しくは本書、朝日新聞5月19日付け「耕論」欄で。


 

2017年5月15日月曜日

憲法施行70年; 安倍総理 改憲の意味 55年体制 その5

白井 聡著「戦後政治を終わらせる」~永続敗戦の、その先へ (NHK出版新書)

ポスト55年体制へ三つの革命:
1)政治革命;2016年参議院選の野党共闘は、その奔り。
2)社会革命;基本的人権の尊重。国民主権の原理。男女の平等などなど、戦後の憲法に 書き込まれた、基本的な原理。これらの徹底化を図ること。
3)精神革命ー太初(ハジメ)に怒りあり:政治革命、社会革命にしろ、それらを実  ならしめるためには、それらを実行する立場に人たちに、それらを実行させるための圧力がかかるかと言うこと。

この革命には、血なまぐさいことは、何もありません。我々市民のできることでしょう。

2017年5月1日月曜日

憲法施行70周年 沖縄の歴史 日米地位協定④

2017年5月1日 朝日新聞 社会欄の記事

  本土の人間である自分は沖縄のことをあまりに知らないことに慄然とする。本土に人間は新憲法が出来、平和になると喜んで時期に、1945年12月の衆議院議員選挙法の改正で、女性の参政権が認めれられているそばで、沖縄県民の公民権が停止されてしまった。結果、沖縄県民からは議員がいなくなった。
  さらに、憲法施行後の46年、マッカーサーは政府高官に「沖縄の開発と駐留を順調に進めることで、日本の本土に軍隊を維持することなく、外部の侵略に対し日本の安全を確保できる」と話しているそうです。

  〈国家にとり実に容易ならぬ問題であり、見ようによっては沖縄県に対する主権の放棄とも相成っている。〉
これは、戦前、沖縄から議員になった漢那憲和氏が、公民権停止に抗議したときの言葉。

  さらに、〈このたびの戦争で沖縄県の払った犠牲は、その性質においておそらく全国一ではありますまいか。〉〈県民の忠誠に対して、政府は県民の代表が帝国議会において失われんとするの当たり、あらゆる手段を尽くし、これを防ぎ止めねば〉再考を迫ったが、内務大臣は「連合軍司令部の方の同意が得られませぬ〉との返事。

  内務大臣の言葉は、そのまま今の菅官房長官の「粛々と辺野古新基地の建設を進める」に通じている。