温 又柔 著「真ん中の子どもたち」集英社
台湾で生まれ、3歳から日本で育った小説家。同署は2017年度の芥川賞候補作品です。
日本人父と台湾人母の19歳の女性と, ほかに男女二人が中心に、中国語(普通語。北京語)を勉強するために、上海の語学学校での出来事、恋愛、中台関係、日中関係等を絡めた、青春物語。
芥川賞候補に終わりましたが、選考委員の宮本輝は「・・・当事者にとってはアイデンティティと向き合うテーマかも知れないが、日本人には対岸の火事・・・他人事で退屈」と評していました。
著者は、子供のころ、自分の母の日本語がほかのひとと違うことを疑問に思う。彼女にとって日本の学校は、日本人ということが「普通」だど教え込まれる場所だった。それでも、「大勢の人が信じるものが正しいとは限らない。物差しはいっぱいある。少数者とか、はじかれている人はそのことに気づきがちです」とも言っています。
それでも、こうした環境で語学留学が借金しないで海外に行ける人たちはまだしも、日本に働きに来るのに多額の借金をして、技能実習生などように、一応技量とつけて国に帰ってもらうと建前で、実際は単に労働力としか見なされない人たちもいます。
移民問題・国際化・多様性、日本はまだまだやらねばならにことがたくさんあると思います。
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